静かで懐かしい風景

奥多摩街道を歩く

せせらぎ聞こえる昭島

多摩川に沿って、西に延びる奥多摩街道。車の往来は多いが、一歩裏通りへ入ると、そこには静かで懐かしい風景がある。玉石の石垣や湧き水が流れる水路、寺や神社が点在する昭島を味わいながら、奥多摩街道を西へ、気ままな寄り道を楽しんだ。

奥多摩街道は、甲州街道から分かれて、立川の日野橋交差点から青梅まで延びている。

立川市から昭島市に入ってすぐ、郷地町交差点を右折した西郷地バス停そばに、雑貨とミニカフェの店「パトアッシュ」がある。商品は生活雑貨、玩具、本など。「主婦が買える値段で、使い道が幾通りもある商品をそろえています」と、柔和な笑顔で迎えてくれる藤田さん。金曜日には、国立「カレンズ」の天然酵母パンも並ぶ。

奥多摩街道に戻り、南へ下ると、住宅地の所々に小さな梨園がある。昭和初期、田んぼに稲城の梨の苗を植えたのが昭島の梨のルーツ。昭和30年頃には約50軒の梨農家があったが、現在は14軒が梨作りを続けている。

昭島は、豊富な地下水に恵まれ、用水路からも取水できるため、梨作りに適している。品種は「豊水」や「新高」などで、みずみずしい甘さは地元で人気がある。さわやかな酸味の「二十世紀」を数少ないファンのために作っているのも、地域に根ざす農家ならではのこと。もぎたての梨は、直売所で買うことができる。